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建設会社の総合サポート屋の考える事

建設業の新人育成の鍵を理解できた話。

セミナー講師や新人育成サポートを通して、さまざまな新人や若手技術者とお話しする機会が増えている。そんな中で建設業の新人育成に大事な鍵が理解できた。実はこの鍵は管理職、上司のおじさん側の話でもあり、経営者の話でもあり、建設会社の話でもある。鍵で開ける事ができるものは、様々あるだろうけど、この鍵で開けることができるのは僕的には「やる気」だと思っている。

建設会社の依頼を頂いてヒアリングしてからセミナーやサポートしていくと、悩んでいる事は実は昔も今も変わらないことに気付く。ヒアリング後に若手技術者とお話ししていると不安がやる気を押しつぶしている事が分かる。上司は失敗しても伸び伸びやって欲しいと思っても、失敗しないように導いて欲しい、今の世代はコスパタイパ悪すぎ問題が立ちはだかる。それでも建設業は現場で働くのだからあまり気にせず元気よくやって欲しいと僕も思うけれどなかなか難しいところではある。1ヶ月後にまた面談すると目の輝きが不安に覆われている事に気づく。僕もサポート、先回りアドバイスはするけれども実際の現場の中身まではサポートできない部分はある。上手に育成できているパターンとの対比と検証を重ねて色々と見えてきた。

僕はこの鍵をなんとなく理解出来た背景には、「野山獄」の話を思い出して腹落ちした。

僕も尊敬している偉人でもあり狂人でもある「吉田松陰」のエピソードでもある。野山獄とは吉田松蔭が国禁の罪を犯し投獄された場所である。投獄先には出所などの希望も持てない囚人達だった。そんな場所で吉田松陰は明るく楽しそうに囚人達の良い所を見つけて、「〇〇さんは僕の俳句の先生、〇〇さんは僕の習字の先生」などと呼び是非僕の先生になってくれと言い教えてもらいまくっていた。松蔭自身も一緒懸命に孟子などを教えたという。教えている時には監察官も聞いていたと言う。

囚人達の希望も何もなく、忌み嫌われている自分自身の絶望的な状況に悲観していた目にやる気が満ちてきて野山獄にも活気に満ちてきた話である。いつのまにか野山獄は牢獄から学び舎になった。

全ての人は「自分の存在を認められたい」「自分を重要な存在と思って欲しい」などの気持ちがある。それを承認欲求では?と思われるかもしれないがちょっと意味合いが建設業では違う。

新人、人材育成の鍵は「自己重要感」である。

今どきの若いのはやる気がないと嘆く前に部下の努力、貢献、変化などに気づいているだろうか?

部下の悩み、失敗、挫折、後悔に寄り添っているだろうか?考えてみて欲しい。

現場であれば例えば若手を整理整頓の先生や測量の手元の先生などと居場所を作り自己重要感を満たしてあげれば良いのではないだろうか?

吉田松陰は夢も希望も持てない囚人達を変える事ができた。建設会社は夢も希望もある若手技術者を導いて自己重要感を満足させてあげる方がよほど簡単だと思いませんか?

建設会社を牢獄にするのも学び舎にするのも全ては教える側が居場所を作って自己重要感を肯定してあげる事が未来を創る。

若手側も居場所をドンドン増やす努力を伸び伸びやって欲しい。仕事に熱狂して欲しいと思う。

最後に吉田松陰の大好きな言葉をひとつ

「諸君、狂いたまえ」