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建設会社の総合サポート屋の考える事

設計ミスは言葉で言うほど簡単じゃない

最近は大手の建設コンサルタントさんの設計ミスが発覚して、建設業は大騒ぎになっている。

ミスには色々とあるけれど発覚しているのを分類で見てみると橋梁や構造物が圧倒的に多く、仮設でも見られてきている。

ミスは誰にでも会社でも部内でも課内でヒューマンエラーからそもそも間違えてたまでいろんなパターンが複合的にミスに繋がっていくのが建設業の特徴なんだと思う。

先日は打ち合わせも終わり、現場所長と雑談していてこの話題になった。「この場合はどう言う保証?」「なんでこんなことに?」「誰も気づかないのかな?」などなど失敗の理由や原因を話したけれど、答えは出ない。だってミスは全部当てはまるから。

プロだから結果が全てと言ってしまえばそれまでだし、結果オーライでミスがあっても収まった現場もあるかもしれない。発覚したら悪で発覚しなかったらセーフなのか?問題はそんな単純じゃ無い。

この手の話になるとセットで湧いてくるのが、建設コンサルタント、発注者の「レベルが落ちた」って話。

確かに経験工学のウエイトが大きい建設業には包括的に現場を考えたりしていくのがチーム力としては落ちてるような気がする。発注者にしても個人の監督の力量プラス上司の体制でやっているけれど、

繁忙期や抱える現場本数を考えるとそこまではチェックというのも酷だなとも思う。その中で工夫しながら設計はよくやっているなと思う。

建コンは「こんな値段??」「ついでに設計して」なんてオーダーに答えながら設計し、発注者は予算取りしながら同時進行で次の現場の設計と今の抱えてる現場こなしてる。

業務効率化を刷新しようしている国や地方がブラック化していっている状況もミスに拍車をかけてきている。無理矢理な魅力アップをスローガンに週休2日制にしたものの、お天気商売ではなかなか苦心している施工業者も多い。

土曜日はパソコン使えないからと家でコソコソやっている人も多いのも理解するので情報漏洩なんて聞くと複雑なら思いは僕はある。

未だに日給月給な職人世界は月給だと嫌がる人もいて進まず単価も上がると社会保険料も上がるの連動タイプで建設会社も踏み切れない現状。

こんな様々な事情と都合を抱えて建設業は動いているのがリアル。

「これはどの立場でもミスするよね」が正直な僕の気持ち。

昔はどうだったかというと、ミスはあった。今ほど可視化されてなかったことも踏まえて考えると、あったけど今よりは大ダメージなミスは無かったのではと思う。

それがなぜかというと発注者、建設コンサルタント、施工業者と全員で現場の困り事やミスをお互いにアラート機能と相談窓口が気軽に使えた部分が大きかったように思う。効率化で現場の方でもチェックしながら段階的に現場を進めれていたものが一気にやる事が多すぎてすっぽ抜けてアラート鳴らせなくなったことも原因だろう。

 

人手不足、業務効率化、建設DX、働き方改革などなど理想が最先端過ぎてコントロールできないから書類や手続きが増えた結果、理想の真逆に走ってしまっている。

段階的にやっていけば良かったのか?というとそれだといつまでも変わらないのも現実。急ハンドル気味じゃ無いと変わらないのが建設業なのだけど、今の感じはルールが設定されていなくて各自に任せる部分多いから業務が増えている。

とにかく業務量と本来のモノを作るところから乖離している今じゃミスも起きてしまうだろう。

 

なんでも取り組むと工事点数が上がるシステムや人手不足を解消したいのに休ませたりではなく選択制にする、効率化の為の書類や申請を少なくするなどで評価していく方式にしないとミスではすまない事が多発する気がしてならない。

 

建設業の全関係者が会社単位で効率化はある程度はしている。AIの話をする人も多いけど、結局はツールなので。建設業のクライシスはインフラじゃなくて人間側な気がしている。