You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

安全第一はなぜ第一か考えてみた。

僕が働いている、建設業界はスローガン、標語的なもので視覚的に注意喚起する事が非常に多い。昔からその手法は変わってなくて、朝の朝礼やちょっとした掲示物でもさまざまな標語なんかで注意を促す。

 

その中でも良く言われることが「安全第一」。

労働者の安全を守ろうとすることから生まれたスローガンでアメリカの製鋼会社が作ったそうだ。

元々は「生産第一、品質第二、安全第三」だったものを先程言ったUSスチール社長であった、エルバート・ヘンリー・ゲーリーが労働者の悲惨な状況を見て、「安全第一、品質第二、生産第三」と変えたのだった。

只の人道主義的な精神からの経営姿勢だったらここまでへ浸透して歴史を作る事はなかった。何故にここまで世界が掲げるスローガンになったかと言うと単純に生産性が上がったこと、労働者不足にならなかったこと、最大の要因は「以前より利益が格段に上がったこと」。

 

安全第一として労働者を守る事で、利益があがった事で、経営者の意識も変わり、現在でもずっとこのスローガンは生きつづけている。

利益が伴わないとやはり絵に描いた餅になってしまったり、維持する事ができなくなる。

安全第一が儲かる仕組みになるのかというと、危険を排除していくと効率化が進む、効率を高めるには、使用する工具、資材も含めて、整理整頓が徹底される。整理整頓が徹底されると無駄がなくなって動きが早くなり、人員機械配置も容易に視覚的管理する事で非効率が激減していくからだ。

 

建設業で考えると、重機、人員配置が無駄なくできるば生産性が上がる事はわかる。あとは出来るだけ機械をある程度は介する事で、仕事の簡略化、職人技に委ねていた部分の省略化も可能なってくるだろう。昨今、ICTや様々な取り組みも加速していく。スキルの低い職人、新人にも障壁が下がることで、属人化から全員が仕事を分配できる多能工化も達成できていくだろう。

 

勿論、日本中の建設現場を見ると「安全第一」ってスローガンはどこも掲げて、意識しながら仕事している。昔は「ケガと弁当は自分持ち」と言われた時代からはだいぶ進んだ。

ただ、作業している職人に対しての注意喚起として利用されていて、本来は経営者のトップポリシーだった理念がいつのまにか、職人への注意力や安全意識を持たせる為だけのお題目になっている側面がある。

難しい部分はあるだろうけど、安全第一を守る事は経営姿勢としては経営者、責任者は認識しなきゃならないし、副産物としては儲かると考えたほうが維持できていくだろう。

 

お題目で惰性でやっている安全は意味が無い。

安全、快適は儲かるんだと、経営者も労働者も安全第一を色々な意味で改めて考える事が大切かもしれない。