You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

建設業のイメージアップの道はこんなにも遠いのかと感じた話。

 オリンピックも閉会し、コロナ不況がひたひたと足音を忍ばせて、近寄ってくるらしい。オリンピックの経済効果は約1.6兆円で、コロナ対策関連の損失等は2.1兆円となるらしく、その他対策やらモロモロの諸事情を鑑みるとこれは不況にGOの現状が見えてくる。

自分の片隅で生息している建設業界は人手不足もありながらも、堅調に推移しているイメージはあった。建築関係は民間工事が多い事から好不況に影響されることが多いと思うが、土木に関して言うと仕事はあると思う。昨今の建設業では業界の人出不足の背景もあり、イメージアップや待遇アップなどに必死である。待遇に関しては今でも日給月給制度で雇用している会社が多いので、週休2日制で休みあるけど稼げないなどの歪みが出ている。ただ若年層に関しては給与より休みを重視する傾向もあり、ギャップ間の大きさを感じている。それで自分の会社や他社を見渡しても、それなりに若い子もいたりするので、イメージアップ戦略等は少しは効果あるのかと思っていた。

そんな中で「驚愕して嗚咽レベルの記事をみつけた」。

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過去記事だし、今の現況と少し違うかもだけど、一般的なイメージってやっぱこんなもんよねって感じではある。しかもブッチギリの1位!2位に圧倒的な差をつけての勝利となっている。

 こういう事について議論すると大概は誰かが擁護してくれるが、例えば建設業なり、汚い仕事をしないと世の中は回らないとか、職業に貴賤も上下もないなんて事は言ってくれる。一般的に皆さん理解はしていると思う。理解の上でのアンケート結果かなと思うのでこれは難しい。たしかに自分もいる業界ではあるけれど、犯罪のニュースなんぞみると大概が建設、土木作業員だの解体工など犯罪者職業では建設関係オンパレードで犯罪者のドリームチーム感さえある。片や建設業の素晴らしさや凄さを伝えてくれるニュースなんざは本当に微小である。しかもこれ奥さん側のアンケートなので当然、子供にも建設業に就職しろとは言わないのは確定。

 たしかに建設業の入口の敷居は圧倒的に低い。参入障壁の低さから、トンデモない会社もある。志高く経営している会社もあるけれど、アピールなどが下手で従来のイメージを脱する事に苦慮している面もある。いい加減な会社ほど社員教育や待遇も考えていないので高利益率を維持して残り、きちんとした会社が縮小や廃業するおかしなネジれ現象が見受けられるけど、今後はその傾向が加速していく懸念もある。社員教育等が疎かになればアンケートのイメージ通りの職人がドンドン製造されるだろう。社長からして自分の社員をATM程度にしか思ってないようじゃ社員の質は上がらないし、社員だってあげる必要が無い。

1.低い給与水準

2.長時間労働の改善

3.福利厚生不足の解消

 この辺の問題と仕事量との兼ね合い及び4、5月の年度開始時の仕事の無さなどを解消していく事が官民合わせて必要かと思う。土日祝日休みや給与の面では単価は上がれど休みで帳消しの現状と長時間労働を回避するため、仕事の発注の平均化に真剣に取り組まなければならない。

  建設物が完成した時の達成感や、地域の人が作ったモノを利用することの意義、スキルの向上を感じられたりなど、良い面もある。長く染みついたイメージを拭い去るには相当な時間がかかるだろう。本質的且つ抜本的な待遇改善で建設業に担い手となる若い人が来てもらうようにしなければならないし、その若者が成長して家庭を持った時に奥さんがこんなアンケート結果書くような現状にならない業界にしない事を真剣に考え、経営者も待遇含め、この現状を打破出来なければ本当に淘汰されるぐらいの覚悟を持たないとダメだろうと思う。

 それにしてもこのアンケート結果はへコむわ。