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建設会社の総合サポート屋の考える事

人手不足の真相は闇の中

僕が存在している建設業では人手不足の傾向が著しい。これからは景気悪化が顕著になるだろうなんて言われているけど、建設業では倒産法人は過去と比べても低水準だそうだ。そんな人手不足の中で地方都市なんかではどこどこの誰々なんて、所属会社が変わったくらいで、すぐみんなが認識できるくらいなら顔ぶれは変わっていないと思う。特に技術職(現場監督など)なんかは本当に同じ顔ぶれである。若い人もいることはいるけれど、おっちゃんがずっと最前線にいる。ICTやらなんなら便利になっていく現場運営に対して、人手不足が追いついていない現状がありあり。

では職人さんの世界はというと、高齢化はもちろん避けて通れてはいないけれど、若い人や中年層の人達が見受けらる会社と自らロートル軍団なんて言う逞しい会社もあり、二極化してきているイメージがある。最近は社会保険必須、週休2日制の実施などなど、若い人にも業界に来てもらおう、待遇を良くして頑張ってもらおうなんて色々と対策している。国の方針に伴い、粛々と公共事業では進んでいる。パッと話を聞いただけではとてもよい話だし、寧ろそれを今までやってこなかった業界もどうなのかって話ではある。

でもここに闇がある。財力のある会社や元請工事が多い、建設会社は全く問題ないし、受注した工事は工事費に経費も含まれるので双手を挙げて喜ぶべき事だろう。実際の施工する下請会社やさらに2次下請になんかなるとちょっと事情が変わってくる。日給月給の給料体制のところも多く、土曜日が休みになると稼げないなどさまざまな問題が出てくる。法定福利費の経費は元請は貰っているけれど、1日単価と作業人数で下請は受注していて、経費込みなのか、仕事のみの値段なのかアヤフヤになっている部分も多い。請求して良いのか、今までの流れから言えない、言って使ってもらえなくなったらどうしようなどの不安や職人気質で値段交渉などに不得手などで工事はあるけれど、実入りがザックリ管理で実質儲かっているのかよく分かってない下請業者はまあまあな数いる。勿論、ちゃんとしている元請会社もあって、協力業者の育成に力を入れていて、ギャップの埋め方を真摯に一体化して考えている。

若い子の多い会社の社長にどんな感じで、募集しているのかと聞くと、「普通に募集してきてくれる人もいるけど、生活苦しいからって日払いにしてくれって若い奴もいるんだ。中には給料減るからって保険もいらないなんて若い奴もいるんだよ」、「日払いには対応してあげれるけど、流石に保険なしはダメと言ったけど、民間工事専門ならそんな条件でもオールOKにしている会社もあるだろうねと」。日々の生活費に追われて、日払いが良いなどの現実が見えてきて、闇の深さに頭がクラクラする。給料の前借りなんてカワイイもんじゃない。本当の生活費が欲しいのだ。

抜け道的なところがある限りは悪用する事業主と知識のない人はとことん利用される現実は続く。抜け道が完璧に塞がる事は難しいけど、公共事業だけではなく民間工事も含めて官民一体化の制度を推進しないと、本当の待遇向上に繋がらない。働き手から声が上がらないから承認しているわけではないし、現環境の中でギリギリで生活している側面がある。

これから待遇向上がドンドン浸透して、若い人や担い手となる人が日々の生活に追われるのでなく、将来や夢を追える業界になって欲しいと思う。