You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

心を整える場所の必要性について考えてみた。

ネットでふと気になった記事があり、凄く納得いく部分が多くて、興味が湧いてほかの本も注文し、感心したり、ニヤニヤしながら楽しく熟読してしまった。 

最初に印象深く興味を持ったきっかけが、筆者の高殿円さんの息子さんが言葉をしゃべる事が遅かったので、いろいろな習い事をさせる事が難しい中で、それでも何かに触れさせいたい思って、ある絵画教室に息子さんを通わせる事になったと。

そこは広い敷地、大きな家、先生は三代にわたっての画家や陶芸家などのアーティスト。

息子さんは絵も上手に描けるでもなく、通った5年間でひたすら電車を描き、先生は何も言わず、好きにさせてくれていたそう。

森のような庭には背の高い木があって、長いロープで結んであるブランコがあった。絵を習いに来ている子供たちは、好きな時間に来て、好きな時に庭に出てブランコに乗る。そうして気が済んだらまた絵を好きなように描く。

絵画教室を辞めた何年か後に、高殿さんは息子さんに絵画教室のブランコの話題を振ると、息子さんは「あの頃、あそこに通てっていた子は自分の様にうまく話せなかったり、自分の体をコントロールできなかったしてた。そういう子は普通の人よりとても長い準備が必要で、その為にブランコに乗ることが都合がよかったと」。

高殿さんは「息子の言わんとしていることは分かる。ブランコに乗って揺れている間は、ぶつかったら危険だから誰も近寄らない。その間にゆっくり揺れながら必要な事を準備できる」。

 では家にブランコがあれば良いのかという事では無くて、そういう子には学校や社会にもブランコがあることが必要だったと。

今の社会情勢等ではどんどん不安要素の多くなっていく傾向になりそうではあるけれど、どんな人、老若男女問わず、ブランコ的なリラックスできたり、ゆっくり心を整える場所が必要なんだと思う。

忙しい中でそんな場所を見つけるのは難しいかも知れない、場所ではなくても相談ができるが人や見守ってくれる人も心を整えるには良い場所となれるだろう。

後日談として息子さんは「庭のブドウを食べたり、薪ストーブでマシュマロを食べたと」食の記憶も本当に大事。

人口が減少ていくなかで、様々の価値観や人が変化していく中で、世知辛い世間に向かうかもしれない未来だからこそ、心を整えて頑張る人、頑張ってる人を見守れる環境、成功体験の積み重ね、美味しい物を食べて睡眠をして健康の維持がこれからの時代に本当に必要な事なんだと思う。

絵画教室の先生やブランコの様な存在になりたいなと思う。

上流階級 富久丸百貨店外商部 (小学館文庫)

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  • 作者:円, 高殿
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: 文庫