You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

経営者の考え通りに会社は変わる話。

経営者の考えに沿ったものに会社は変わる。「そんなの当たり前だろ。」って思うだろうけど、あくまでそれは個人商店レベルや小さめの中小企業での話なのかなと漠然と考えていた。

ところが会社名もみんな認識している様な何千人も雇用している会社でも、経営者の考えが色濃く反映される事に面白いなって感想と同時に怖さも感じた。

某有名居酒屋チェーンの記事を見てて、ブラック企業の代表的に言われていたけれど、政治家になったことで、経営から離れると、様々な努力のおかげでホワイト企業大賞を受賞した。

ホワイト企業大賞も相当に怪しい賞らしい事は横に置いておいても、一時期のブラック企業イメージよりは、業態変化等もあれど薄らいだ印象は持っていた。

只、政治の世界から創業者が経営に戻ってきてまもなくに労働基準監督署より勧告を受けたと聞いて、影響力っての絶大だなと思った。

 

創業者の影響力が絶大だなと思う話は、建設業にも多くて、ボンボン的な若社長もいれば現場叩き上げの後継者が大きく分けると2種類いるかと思う。

会社のコンサルティング的な事をしていると、2代目の社長からたまに相談を受けるけど、創業した父親との関係性や考え方で、会社の体質が決まっていて、2代目がなにかをするにしても、なかなかに難しいと。ボンボンで現場を知らないから、経営者としてダメかと言うとそんな事は無くて、逆に業界の常識にとらわれない発想でおもしろい事をやって話題になる社長もいる。現場叩き上げの社長の方が職人さんの気持ちを確実に理解している部分が多いので創業した父親と衝突している場面が見受けられる。

「会長(創業者)は新しい事や自分に理解できない事は全部拒否する」、「息子(社長)は自分の足元もグラついてるのに新しい事や目立つ事ばかりやろうとする」。

お互いこの調子である。両者の意見が一致しているワードが一つだけある。

「時代が違う」これだけ。

それでは永遠に分かり合えるわけがない。2代目社長と折衷案で何年か計画で新しく変える事を書き出して、承認を貰うようにアドバイスして作成してみせると、創業者は意外に好反応な事が多い。

これが何かを意味すると、会社であっても、親子って関係性が垣間見えて話がこじれてる。第三者が介入することでなんとなくお互いの体裁を保てる部分もあっての好反応なのだ。

全く面倒くさい。

では現場ではなく営業系社長はどうかと言うと、創業者と関係性は良好だけど、職人さんの反応はイマイチ。

これまた面倒くさい。

他人で構成されている、大きい会社でも経営者の思想が色濃く反映されるのに、中小企業のケースで考えたら、創業の思想丸出しなのだ。

創業者が後継者不足の時代に継いでくれる、身内なりがいるのであれば、お互いの譲れない部分と将来についての考えを大枠で決めておくべきだし、残すもの、持っていくものとの区別と色分けをキチンとしておかないと、なんとなく分かってくれるだろう的な感覚でやるとお互いに大ケガして、働いてくれてる他人に迷惑かけますよって話。

そんな話を3人でするとなんとなく親子から会社の感覚に戻って、うまく作用してくれてるパターンもある。厳しい時代だからこそ、お互いに理解して協力しないと乗り切れないのだ。

 

経営コンサルティングの人とお話する機会があって、「2代目、3代目になると中小企業は一気に経営が悪化するパターンがあるのは、新しい事業なんかでダメになったりするのですか?」と聞くと、「いや創業者と2代目の圧倒的な違いと強さは何かわかる?」聞かれて、少し考えこんでしまった。

「答えはね資金繰りの巧みさと死んだふりできるから創業者は強い。2代目になると本当に資金繰りが下手。創業者は死んだふりしてお金をとりあえず借りたり、回収したり、褒めて怒って働いてる人たちを煙に巻けるのが強い(笑)」。

妙に納得してしまった。その辺も計算なのか自然に身についた処世術なのか、2代目と僕がやっていた事もこうなるだろう計算でやらされていた、死んだふりなのかとさえ思えてくる。

創業者との静かな戦いはかくも厳しいと悟った。