You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

イメージを逆に利用する

イノベーションが起きた製品には必ず魅力的で面白いストーリーがあって、それは作った会社も含めて時代を超えた壮大な物語になっている。

 

「ハーレーダビットソン」と聞くとどんなイメージがあるだろうか?

ワルい人が乗るものや映画のイージーライダーなんかもイメージするかも知れません。

大体の皆さんのイメージはそんな感じなんじゃないかなと思う。基本的にバイクはアジア圏では生活の基盤になっていることも多いけど、ハーレーダビットソンを生活に使っている人はごく少数かなと思う。バイクは僕も乗るけれど趣味的要素が強くて、不思議なポジションにいる乗り物でもある。

 

僕もバイクに乗ってますというわけで、暴走行為もしないのに少しワルなイメージや好きな場所に勝手に行くイメージから自由と考えることもできるし、無駄な部分があるからこそ文化やカルチャーなのかなと思う。

今でこそハーレーダビットソンは唯一無二で名前を聞くと想像できるイメージだけど、創業当初から中期はライバルも多くて差別化が図れず倒産寸前で身売りしたこともあった。今のハーレー社は身売りした相手から買い戻してそれからなんとか軌道に乗った。

 

成功の要因は一般的なイメージでもあった

「ワル」を利用した。

ともすればマイナスイメージになりかねないけれど、映画やオーナーズクラブにも協賛したりイベントを重ねることで、製品の独自性と相まって一気にアメリカで成功した。逆に創業当初に数多いた同業者は業界から去っていった。

去った同業者は品質やディテールにこだわり過ぎた事と過去の成功事例に執着した事が原因かと言われている。

そんな快進撃で周りの同業者もいなくなったけれど同時にそのイメージが時代に合わなくなり、経営危機に再びなった。

 

「そこでハーレーダビットソン社は再びイメージを逆手に取った戦略に切り替えた」

 

エコやSDGSとは対極にいるバイク業界の中で今のハーレーダビットソンはどんなイメージを逆に利用しているかというと

 

「自由」「解放」

 

バイクに乗る層の年齢上昇や反抗的、アウトローなイメージには同一化しなくなり、アウトロー的なものが少しカッコ悪い典型になってしまった事を逆手にバイクに乗る事で自由や普段の生活からの解放をイメージした戦略で新しい時代の表現をした事でまたハーレーダビットソンの経営は戻りました。

社会の変化に伴う自己表現の苦悩や葛藤を解放し自由にするイメージ戦略で成功する。そして今は電気、水冷方式を採用したり、時代に先取りしている。イメージの逆を利用しながら拡大していく戦略がハーレーダビットソンの最大の強さと凄み。企業には尻込みしてしまう戦略にドンドン挑戦していくことがアイデンティティだったのだ。

 

経営は環境適応業とは言われるけど、視覚的な物を含めてイメージを逆手に取ったり利用したり戦略は本当に面白いと考えさせられた。

建設業に置き換えてみるとどんな事ができるだろうか?

現場を作らない建設業?それは建設業なのか?など少し考えると笑える要素もある。

こういう多角的で視覚的な考えがこれからの僕がいる建設業でも大切なのかもと思った。

 

ただ難しいだろうなぁ。建設業は頑丈な物を作る事が信条なので頭硬いからなと思って苦笑いをした。