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建設会社の総合サポート屋の考える事

会社にお任せはお互いに損をする

日本国民の礼儀正しさは海外から称賛される事は非常に多い。忍耐強い国民性も海外からは驚かれることもある。その「礼儀正しさや忍耐強さ」の裏にある性質を少し考えてみると、事なかれ主義という短所と表裏一体だ。『お上や会社ににお任せ』という姿勢も少し見えてくる

他の国々では、政府が決めた政策が理不尽だと考えたり、何らかの不満を感じたりすると、すぐに抗議デモが街中で起こり、それが手荒な暴動に発展するパターンも珍しくない。それに対して日本では、政府が決めた政策にどんなに不満を抱いても、政府の中枢を担う政治家の不正やスキャンダルが発覚して不信感を抱いても、抗議デモが起こることは珍しく、ましてや暴動に発展することなどほとんどない

自分たちの生活環境や勤務条件に問題が生じた場合、自分たちの力で何とか改善しようと努めるのが民主主義における国民のあるべき姿のはずだろうが、なぜか多くの日本人はそうした動きを取らずに現状に甘んじてしまう。内輪で文句を口にすることはあっても、現状を変えていくための行動を取るより、現状を容認してしまう。これも一種の思考停止状態。

現状容認は、ある意味では諦めに通じるわけで、そこは変えていく必要があるのだが、それが難しいのは、そうした日本人の短所は、忍耐強さや礼儀正しさ、攻撃性の低さや協調性の高さといった長所と表裏一体になっていらように思える。日本人の行動パターンは、日本人は目上の者から命じられて仕方なく受け入れ従うのではなく、目下の者の方から自然に従うのであり、それは海外の人にとってもっとも驚くべきことらしい。日本人が昔から「お上に任せておけば大丈夫。悪いようにはしないだろう」といった感覚をもっていたからなのかなとは思っている。

日本では最初は敵であっても対話を重ねるうちに仲間になってくれて一緒に戦ってくれる作品や小さい子にはそんな絵本を読み聞かせている。海外の絵本なんかでは敵は敵で同情すればとんでもない目にあう絵本が多いそうで、どちらが正解かはわからないけれど基本的に日本人は「性善説」が考えのベースなんだろうと思う

建設業も多様化や働き方の方法が急速に変化している令和。価値観も複雑化してきているし、日本人のなかにも性悪説に染まる者や染まっている人が一定数はいるのは仕方ない。「会社に任せておけば変な事にならない」、「上司に任せておけば自分も成長できる!間違いない!」感覚はアップデートしなければならない。

会社も人に対しても、性悪説に立つ人やや社会とやり合っていくには、こちらも性悪説を前提に警戒心をもって思考停止ではなく、考えて対応しなきゃならなき。多様化が一気に進むこの時代では必然であり、やむを得ない事だと思う。

だからといって、会社の中や色々な人と関わり合いなが生きていかなきゃならないわけで、性善説を捨てて性悪説に立って人や会社づきあいをするというのはあまりに淋しい。

自分たちの会社や仕事に大きな影響を及ぼす動きに対しては、会社お任せの姿勢で受け入れるのではなく、警戒心と向上心をもってしっかりと考えて行動発言して行くべき。お互いにお任せ社風で新しい事に挑戦できない建設会社は本当に多い。自分のやりがいと楽しい会社にして行くためには、お任せ事なかれ主義から一歩を踏み出さないと変化はしていかない。

選択肢の多い時代にお互いに遠慮して、我慢しながら仕事をしていくストレスは勿体なさすぎる。

「遠慮は礼儀正しいでは無いし、忍耐強いは我慢ではありませんよ?」