[親友が死んでしまった]
ドラマなんかで、死に直面すると心にポッカリ穴が空いたというセリフを聞いたことがある。
今まではピンと来なかったけど、先週、幼馴染で親友だった彼が事故で死んでしまった。
なんとなく意味がわかった。
会えばケンカしたり、仲良くなったりの繰り返し、会ったり、会わない期間が数年あったり。でもなぜか再会してまた会ってた。
小学校からの付き合いで気が合ういいやつだった。趣味もあったし、好きな音楽も似てた。スケベなところはご愛敬。
そんな彼は新しいバイクを買い、今度、自慢しに行くと言い。新しいバイクで遠いツーリングに行ってしまった。もう土産話も聞くことはないだろう。
何ヶ月かぶりの彼に会う時は写真だった。
イマイチ意味がよく分からなかったけど、自分の中で何かがガラガラと崩れるというか、剥がれるような不思議な気持ちになった。
彼が亡くなった日は、3月末なので建設業にはとんでもなく忙しい時期。それでもそんなことは関係無く、向かった。引き継ぎはしたつもりだったけど、うまくコントロール出来てなかったみたいで顧客にも呆れられた。
最後まで面倒かけやがって。仕事なくなったじゃねえかと写真にいつものように悪態をついた。
「嫌ならやらなきゃいい」と彼が言い返しそうだなと思った。いや言っただろう。
ポッカリ穴が空いたのは少しづつ埋めて行くしかないと思いつつもなかなか割り切れない。だけど、ウジウジしてる俺をみたら彼はイラつくだろう。
写真の彼に今までのお礼を言い、俺はもうちょいヨボヨボになるまでやってみる言い、また会いましょうと言った。そして俺がヨボヨボなのに若いままでくるお前は気にくわないなと悪態もついて、長いお別れをした。
嫌ならやらなきゃいいよな。自由にもう少しもがいてみる。彼に笑われないように。
サヨナライママデアリガトウ。