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建設会社の総合サポート屋の考える事

絆は鎖か足枷か

最近はご紹介を頂いたり様々な形で建設会社と関わり合う事が多くなってきた。勝手に僕はプロ御用聞き戦略と読んでいるけど、まあ大なり小なり建設会社は困っている訳で相談を受けたり話を聞く事が多い。話を聞く事やご提案できることについては費用も貰わないことにしてる。気軽に何でも聞いてもらわないと本音の部分は見えてこないのが戦略コンサルなのかなと考えているからだ。その後に契約してもらい、いろいろ形で会社を楽に社員の幸福度を充実さて利益を出していく戦略を立てていく。

僕も経営者になり営業して利益を出していかなきゃならない訳でコンサルティングしてますといいつつも試行錯誤を繰り返している。まあ大企業の社長もスケール感は違えど、不安で夜寝れなくなったりしているだろう。資金繰りの事で悩むのは昔から変わらない事ではあるけれど最近の最大の悩みは人材不足に伴う、社員の確保や新卒採用などに苦心しているのが建設会社。職人さんも現場監督さんも想像のつかないスピードでいなくなり、市場価値を知り、周りと比較できる現在では社員の入れ替わりの激しかったり、新卒もすぐに辞めてしまう現実がドーンと横たわり、仕事はあるけどできないジレンマで会社戦略の練り直しが多くなってきた。

 

社員が自分の市場価値を知ることは勿論良いことであって今までが閉鎖的すぎた部分は多分にある。価値観をお金と比較しつつも人間関係や会社のヴィジョンも加味して働く人もいれば、お金第一なら価値観の人もいて、この人物はずっと我が社にいてくれると思うのは間違いになっている。会社としても常に色々な金銭以外の提示や魅力を構築していかないとならない訳で、ベテラン、新入社員にとっても大事な要素が細分化されている。

 

タイトルにした「絆は鎖か足枷か」は従来の日本雇用型システムでもあるメンバーシップ型と言えば良いのか、ファミリー型という考えでは鎖と足枷でしかないだろうなと思ってしまう。

例えば「会社の仕事だから100%頑張ろう」、「飲み会だって仕事の一部だから」などなど建設業では現在でも悪い思想がこびりついて、ブラック企業の良い菌床になっているイメージさえある。家族型の安心唯一無二の形を押し付けて、絆が深まってきたと勘違いをする。逆に抵抗感のある社員に関しては何故もっとグイグイ仕事しないのか?など気持ちよく働いて成果を出すのが会社なのに仕事より家族の輪を乱す奴を吊し上げる傾向すら見える。これでは絆は鎖を巻かれて足枷となり、そうなる前に退職しようとなる訳だ。

 

家族システム雇用は簡単に言うと楽なんです。ハマる人だけ残れば良いしダメな奴は排除するだけだから。でも人がいない現在は分母の数が減って破綻しつつあるマネジメントシステムとなってしまったのでした。体調不良で100%の力を出さなくても補い合えるシステム、参加したくなる飲み会の方向を考えることにリソースを振るべきなのです。

 

お互いの距離を0に近づける事が絆の時代は破綻しました。お互いにとってメリットある距離感こそが本当の絆になっていくのだらうと思います。

御社はそれでも「鎖と足枷で社員を支配する事を絆だと勘違いし続けますか?」