You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

財布を落としたら優しい世界は大事だと気づいた。

先日、財布を落とした。

何故にどう財布を落としたかは説明していくとして、始まりは札幌でとある試験があり、久々に営業所戻り、社員や協力会社の人と会食したところまでが、最後の財布を見た瞬間であった。基本的にアップルペイからのアップルウオッチで支払する事が多いので、財布を使う事が少ないのが第一の要因。だけど財布を持たないとなると現金払いのみのお店もあるので持たないのも不安と。免許書も何もかもスマホで済んで欲しいと思う面倒くさがりの僕には起こるべくして起こった事案。

 

地元に戻り、後輩と別れスーパーに立ち寄ると、財布がない事に気づいた。

キャリーバックからバッグから探索すれど見つからない。急に冷や汗と言うか、血の気が引いていくのがわかる。現金は諦めがすぐつくような金額ではあったけど、免許、クレカ、キャッシュカード等々の事と財布は奥様にプレゼントされたものだと思うと、手続きの煩雑さや言い訳等を考えると吐き気がしてきた。今回の移動では後輩の車での移動だと思い、一縷の望みを後輩の車に落としたのではに託し電話する。「探したけれど見つかりません」との後輩の言葉を聞き、呆然とする。もしかしたら札幌に置いてきたのかもと思い、地元に帰ってきて1時間後にUターン確定となる。その間にも立ち寄った店に連絡すれど、「届いてません」、「今日は落とし物の届は無いです」ばかりで落ち込む。

 

スマホで財布を落とした時の対策方法と検索して、警察、クレカ止めるなど書いてあり、手順に沿って手続きしていく。普段は国家権力に屈しないなどロックな生き様で死にたいと願う僕だけど困った時は国家権力の犬に成り下がり、必要以上に諂い遺失物届けを済ませた。クレカも同様に一時停止して、札幌で不安な夜を過ごした。

なかなか寝ることが出来なくて、手続きの面倒くささや、仕事の相見積で負けた事など思いだしてるうちに、ただ泣きたくなる。

 

いつのまにか疲れて寝ていたのであろう、朝6時位に後輩からの電話が来た。「うちの近所のおばあさんが財布拾って僕の家に届けてくれました」と。その言葉を聞いた瞬間にこんなに起業してから心が晴れた事があっただろうかと言うくらいに、脳内と心がクリアになった。お礼をするとウキウキで地元に帰る僕がいた。

 

日本は凄い、素晴らしい番組が最近多く感じていて、来日する外国人の方のインタビューを見ると日本人は親切だと的な意見も多くみられて、斜に構えてみる僕は切り抜き記事的な物かと考えていたけれど。本当に優しい人はたくさんいるんだなと心から思った。自分にそれが出来ているんだろうかとも再確認できたし、自然と他人に厳しい事を言ったり、無茶ぶりしたり、マウントを取るような老害まっしぐらな事をしていないだろうかと、財布を落として困った事でいろいろと考え込んでしまった。

 

最近では持続可能な「誰もが誰かの為に共に生きる社会」を目指して行こうって流れが。個人が勿論で企業も取り組んでいる、ただ利益が出せるようになるには工夫と時間が必要だけれど世界が弱者にチューニングしてきているのすごく良い流れだと思う。財布を落として優しさに触れたことで、見直すことができた。

「優しい世界になることは生ぬるい競争の無い社会を作るのではなくて、持続可能で弱者に優しい仕組みを作り利益を出して競争していく事に照準が変わったのだ」。

 

心も晴れやかにダブルUターンをキメた当日は夜間工事であった。只。優しい気持ちがフル充電されているので簡単に乗り切れるかと思ったけれど、開始3時間くらいで疲れてヘロヘロになってしまった。持続可能な優しさには睡眠と健康が大事と気づいたのだった。