You've got another think coming

建設会社の総合サポート屋の考える事

体調不良と危機管理能力について考えてみた。

先週、安倍首相が体調不良により辞任することになった。

ぼんやりと体調不良ならば仕方ないよなと思いながらニュースを見ていたが、画面の中で話をしている、安倍首相の顔色は悪かったように思う。

首相という立場なのか様々な意見や批判が噴出して、論争の的になっている。中でも強烈な意見としては、大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」

この意見はさすがに安倍さんに同情の声のほうが多く、ツイートした議員さんの方は炎上しているみたいだ。

ちょっと前時代的な意見だなと思いつつも僕の業界である建設業でも似た感覚の人が多いように感じていた。

 

例えば現場作業で1パーティ5人での作業のなかでの不満としてよく上がってくるのは、仕事ができないならまだしも、出来ないうえにタバコばっかり吸いにいってるなど様々。

あとは忙しくなるとトイレに行くや必ず体調壊して、ズル休みするなど。

言いたいことは分かるけど「体調不良は自分もなるかもしれないからカバーしてあげて」「体調管理できねえ奴なんか仕事辞めてしまえ」。

こんなやりとりは昔から多かった。確かに親方クラスで休む人はあまりいなかったし、代わりもいない現実もあった。そういう意味では体調、危機管理能力や責任感に長けているのだろう。

個人の頑張りで支えている側面が建設業には多々あるように感じる。人材不足の今だといくらICTやドローンによる測量もあるが小さい現場ではヒューマンパワーの割合が大部分を占めている。それでもいろいろな機械によるバックアップは不可欠だし、ドンドン推進していくべきだろう。親方の代わりになれる可能性もAI等を使用すれば、週休2日制での休みの確保や今の給料水準が可能になるかも知れないし。

例えば病気による体調不良で現場に出れなくなる職人さんがいてもせっかくのノウハウを失うだけだが違う形で貢献できるシステムがあると、技術の承継なんかで別の形で会社の財産となれる。体調不良だから現場に出れないので、違う職種で就職するよりも違う形でサポート役になってもらう方がメリットは大きい。

問題点はコスト。導入できる会社と出来ない会社や興味のない会社などに極端に振り分けされるかもしれない。

いずれにしても体調不良者に危機管理や体調管理ができないと批判するのではなくてカバーしたり、お疲れさまと労って違う形でサポートして貰う方が良いので、お互いにとってスケールメリットの大きい形をとっていく未来が理想だと思う。

 

ふと若手の頃の話を思い出した。

ある職人さんが「ちょっと頭痛い、熱があるかも」と終業近くに言う。僕は「大丈夫?ゆっくり休んで」と言った。

次の日にその職人さんは休んでいて、現場は欠員が出て大変だったけど目途もついて、一服しようと親方達がコンビニにジュースを買いにいったら、通り道のパチンコ屋の新装開店の列に並んでいる休んだ職人を発見。親方と目が合ったらしい。

烈火の如く怒った親方は怒鳴り込みに言ったら、その職人は消えていた。

そして会社からも消えた(後日、笑顔で給料は取りに来た)。

見事な危機管理能力。

でもこんな奴がいるから根性論がなかなか消えないんだよなと思った。

パチンコ行きたいから、有給で休むって言ってもみんなが当然の権利だと思える、建設業の未来になって欲しいと思う。