【ヘヴィメタル的な発想で解決することにした】
ひとりで会社やるから気楽でいいじゃんと思っていたし、ダメなら就職しよとも考えていた。借金さえなければ、就職すれば生きては行けるが、最初からそれでは、かつてアントニオ猪木の放った名言である「やる前に負けること考えるバカいるかよ」だ。このあと橋本が盛大にやらかし、本当に伝説になっていくのは別の話。
とにかく届出やら市役所やら年金事務所やら書類が多い。士業を使わないとなるとこんなに面倒な事が起きるのかって次第。僕だって士業様使いたいけど高いんですもの。
そんなこんなでまあまあ落ち着いてはきている。ふと無い無い尽しの中から、本当に無いのはこれからどうするって戦略的なものが無いことに気づく僕。
キャッシュエンジンとなる仕事は定期的に来る予定だけど、あくまで予定だ。設立した会社に来てくれる、人財などいないだろうし、いてもポンコツ確定だろう。悩んでいた時にダメ押しで、楽しみしていたライブの告知、なんと「ホワイトスネイク来日中止のお知らせ」である。
オオウと小さな声を上げ、落胆していた。ホワイトスネイクはディープパープルでVoを務めた、デビガバさんが、メンバーを変遷しながら、名作を作り続けてきた。メンバーの出入りは意外と激しくて、兼業してる人やら、辞めたいなと思っていそうな絶妙な人に、デビガバが目をつけて、メンバーにしていくこのやり方。しかも選んだメンバーは皆、腕利きでいろんなタイプの人が在籍してきた。
たまにはこんな人に頼んじゃうの的なこともありつつ、現在まで活躍している。
僕はこのやり方がいいのではないかと手を叩いた。
「ホワスネ方式」
仕事内容や、依頼に合わせて、雇う事はまだ難しいのでフリーランスの人と協力して。仕事をお互いにいい関係でこなしていけば、良いのだと。
おれがデビガバになればいいのだ。ある意味すでにガバっている。
ただ、ふと我に返った。
俺の周りの腕利きフリーランスは1割であとはフリーランスという名のニート、フリーランスになっちゃったリストラおじさんしかいないじゃないかと。
人の事ばかり言ってるが、自分も似たようなもんじゃないかと思い始める。
そういえばデビガバ自身がとんでもない腕利きだから、人が集まるし、人望もあるし、それゆえお金の匂いがするんだろうと。
結局は自分自身の問題かと暗礁に乗り上げた、「ホワスネ方式」を思い、深いため息を僕はついた。